追憶ブログ

こんなことがあったと過去を振り返ったり、思うことを書いていこうと思います。多少なりとも暇つぶしくらいになれば幸いです。

女性は怖い/青い蒼い初恋の話

初恋の話。中学生のときに初めて人を好きになった。世間の相場から見れば、だいぶ出遅れた初恋かもしれない。その子と知り合ったのは、中学2年生の後半だった気がする。ほぼ一目惚れだと思う。でも、恋愛スキルのかけらもない自分は、自然に目線がその子に行くことも、その気持ちの存在にもすぐには気づけなかった。その子と関わりを持つうちに、気づく。あ、好きだ。中学生による穢を知らない純粋な恋が始まる。運良く同じクラスになれた。やった!!これだけで鼓動は高鳴る。青い。振り返ると恥ずかしくなるくらいに。彼女と接点はそんなに多くはなかったけれど、ちょっとしたことがあるたびに起こる心の中でのガッツポーズはもはや定番だった。時間を、季節を重ねて冬になった。もう時間はない。卒業が迫ってきてるから。告白しなければ。告白?どうやってやるのそれ??あらかじめ相談していた一人の男に機会を作ってもらった。夜の公園に自分と男と自分の好きな人と男の好きな人が集まった。軽く談笑したあとで、なんとかお互い2人きりになれた。とても意外なことに、思っていたより緊張してなかった。思いを告げた。その時見た彼女の後ろの大きな月は今でもよく覚えてる。彼女は答えに迷っていた。私はそこで「できれば今聞きたいんだ」とけしかけた。それは相談していた男に、その場で答えを求めれば断りにくくできる、というなんとも卑怯な手段を教えられていたからだ。恋愛スキル0の私はなるほど!となんの抵抗もなく聞き入れた。バカです。バカが2匹います。彼女は困惑して、「考えさせてほしい」と言った。何回か言った後に我に返って、「そうだよね」と言った。後に、もう一方のペアは付き合ったことを耳にし、相談していた男の好きな人から丁寧におられた手紙を渡され、一人で読むよう指示された。フラれた。考えさせてといったときは可能性があるとか思って妄想を膨らませていた。否、叩きつけられた現実に打ちのめされていた。これが失恋なのか。きつい。それからの生活は無味無臭だった。色のない世界。1ヶ月ほど経ったあと、展開は突然動く。 父からクラスメートから電話があったことを聞いた。父が名前を聞きとれていなくてその人が誰なのかその時はわからなかった。次の日の学校に行くと好きだった人になんとなくだけど避けられてるような気がしてた。帰って時間を過ごしていると家の電話が鳴る。昨日のクラスメートだった。その正体は私をふった人だった。話し声から緊張しているのが伝わった。自分も気を楽には持てなかった。彼女は言った。好きになったと。ガッツポーズ。1ヶ月越しでも嬉しい。それほどに引きずっていた。悪知恵が働き、わざと聞こえなかったと言い放つ。再確認するその発言に心が踊った。しかし、恋愛経験ゼロ。なぜか電話を早めに終える。考えられない。今でも後悔する。これからバラ色の生活が幕を開けると思っていた。でも、何をしていいのかわからなかった。携帯電話も持ってない自分には、学校で積極的に話すこともせず、ただそのつながりに満足していた。1ヶ月ほど経ったあと、展開は突然動く。また手紙をもらった。嫌な予感は高確率で当たるものだ。フラれた…2回目。同じ相手に。何が起きたのか少しわからなかった。でも、現実を受け止めるしかなかった。 こうなってもおかしくはないのだろうと思った。何もしない男はきっと面白くない。反論する気にもなれなかった。自分の声で届けれるほどメンタルが強靭ではないので、私も手紙をしたためた。状況を受け止めると言っておきながら、内面では別れたくないとフラフラした気持ちで。字はまさに思いを表していた。きっと私の字が汚いのはあの人のせいだ。絶対にそう。

ほとぼりが冷めてから、誰にも話していなかったこの話が、数人の中で出回っている真実を聞いた。発信源はさまざまだったが、一人にどこか尋ねると意外にも彼女からだと聞いた。正直びっくりした。一瞬両思いになったあの時、周りには内密にと私に言っていた彼女が、事のあとに他人に話すとは検討もつかなかったから。すべて相談していた男から漏れたのだと思っていた。自分の勝手な想像だから彼女は言ってもおかしくはない。この話は内密にと私は言っていないので彼女に言わない義務はない。でも、少しだけ驚いた。女性は恋の話が好きというが、割と何でも話すのかな?…と。今となっては微塵も気にしていないし、これを読んで気を使わせたり、気を悪くさせてしまっているのなら逆に私が謝りたい。この話を書いたことを。今はもう本当に気にしてない。しかし、この時から片鱗を見せる私の女性恐怖症。

苦く蒼い初恋とこれから更に拡大する女性恐怖症の始まりの話。